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ブリストル 188 : ウィキペディア日本語版
ブリストル 188

ブリストル 188(Bristol 188)はブリストル飛行機が1950年代に製造したイギリス超音速実験機。その細長い機体形状から「火炎鉛筆(Flaming Pencil)」のニックネームがつけられた〔"Bristol Aircraft." ''Gloucestershire Transport History''. Retrieved: 5 January 2008.〕。
==設計と開発==
イギリス空軍は、高速(マッハ3)偵察機の開発を検討していた(1954年に出された運用要求OR.330に基づきアブロ 730として計画された)が、このような高速機を製造するにはマッハ2以上の高速運用におけるデータ収集が必要であった。このため1953年に運用要求ER.134Tが出され、実験機の作製が要求された。実験機は、長時間マッハ2で飛行し、高速航空機における空力加熱を調べることが目的とされた。実験機の表面温度は300 oCになると想定された〔。
数社がこの先進的な計画に興味を示し、1953年2月にブリストル飛行機が契約(6/Acft/10144)に成功した。
ブリストルはこの機体をタイプ 188と名付け、3機が製造された。1機は純粋なテストベッドであり、残りの2機(製造番号13518および13519)が飛行試験用であった。1954年1月には、契約KC/2M/04/CB.42(b)に基づき、この2機は機体番号XF923とXF926が割り当てられ、両機は飛行可能となった。アブロ 730偵察爆撃機開発支援のため、さらに3機が発注された(機体番号XK429、XK434、XK436)。しかし、1957年防衛白書によってアブロ 730の計画が中止されたため、この3機の契約もキャンセルされた。ブリストル 188は高速実験機として開発が続けられた〔。
機体の先進性のため、新しい製造方法が開発されなければならなかった。数種類の素材が検討され、2種類の特殊グレードのスチールが選択された。チタン安定化18-8オーステナイトステンレススチールとガスタービン用として使われていた12%クロム添加ステンレススチールである。機体の製造が開始される前に、十分な量が生産されている必要があった。12%クロム添加ステンレススチールはハニカム構造を採用して、外皮の製造に使用され、塗装は施されなかった。リベットの代わりに、アルゴンガスを用いたアーク溶接が採用された。この方法を使用したために、遅れが生じ、満足とは程遠かった。この期間、サブコントラクターとして機体のかなりの部分を担当していたアームストロング・ホイットワース社が、ブリストル社に対して技術指導を行っている。
融解石英キャノピーおよびコックピット冷却システムも設計され、機体に組み込まれたが、想定した使用環境下での試験は実施されなかった。
超音速飛行時のエンジンへの空気供給を最適化するため、可変ジオメトリー空気取り入れ口が使用された。このため、エンジンは機体ではなく主翼に取り付けられた。当初ロールス・ロイス製のエンジンを搭載することが予定されていたが、ロールス・ロイス エイヴォン 200デ・ハビランド ジャイロン・ジュニアおよびロールス・ロイス AJ.65といった複数のエンジン比較検討され、1957年にジャイロン・ジュニアDGJ10Rの採用が決定された。
ジャイロン・ジュニアを採用することにより推力10,000 lbf(44 kN)で、アフターバーナー使用により海面上で推力14,000 lbf(62 kN)、高度36,000 ft(11,000 m)では推力20,000 lbf(89 kN)で、マッハ2で飛行することができた。ジャイロン・ジュニアは、サンダース・ロー SR.177 超音速要撃機用としてさらに開発が進められ、完全可変アフターバーナーが組み込まれた。このアイドリング時からフルパワー時までに対応するアフターバーナーは、航空機用としては最初のものだった〔King 1962, p. 700.〕。だが、このエンジンをブリストル 188に搭載した場合、典型的な航続時間は25分に過ぎず、高速時の研究を行うには不足していた。チーフテストパイロットのゴドフリー・L・オーティ(Godfrey L. Auty)は、ブリストル 188の遷音速から超音速への移行はスムースであったが、ジャイロン・ジュニアエンジンは、それ以上の速度ではサージングを起こしやすく、結果として機体にピッチングヨーイングが発生すると報告している。
空気力学および振動問題を解決するため、数多くのスケールモデルが作製された。これらはロケットの先端に取り付けられ、試験のためにロイヤル・エアクラフト・エスタブリッシュメント(RAE)のAberporthロケット発射場から打ち上げられた〔King 1962, p. 695.〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ブリストル 188」の詳細全文を読む



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